人物列伝

十一月の教室 ― 長崎商業高校、九十分の出前授業

Garoop NovelCh.06
授業の終わり際、山下は、生徒たちに、こう言った。「君たちは、もう、起業家のスタートラインに立っている。今日、家に帰ったら、ChatGPT を開いてみてください。何でも、聞いてみてください。返ってきた答えに、なんで? と、もう一回、聞いてみてください。それが、君たちの最初の事業の、種です」。九十分は、あっという間だった。生徒たちは、拍手で、彼を送り出した。校長先生が、「いい授業を、ありがとうございました」と、深く頭を下げた。山下は、車に戻る前に、振り返って、校舎をもう一度、見上げた。十一月の空が、相変わらず、高く澄んでいた。
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