人物列伝

移住者の確定申告 ― 鎌倉のイラストレーター、はじめての一年

Garoop NovelCh.02
「大丈夫ですよ。私たち、整理屋さんじゃなくて、伴走者ですから」。小綾は優子に温かいほうじ茶を出し、まずは話を聴くことから始めた。優子の仕事は、出版社の挿絵、企業のロゴデザイン、SNS用のキャラクターイラスト――幅広い。クライアントは国内だけでなく、最近ではアメリカやヨーロッパの企業からも依頼が入る。「東京を離れたのは、家賃と、生活のリズムを変えたかったから」。鎌倉に住み始めて半年、潮の匂いと坂道の生活が、彼女の絵にも変化を与えていた。「最近、絵に光が増えたって言われるんです」。
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育てる・調教・産む