人物列伝

最初の社員 ― ひとり創業の終わり、チームの始まり

Garoop NovelCh.04
採用面接という名の、長い夜の話があった。山下は、健斗に、Garoopの理念、現状、未来、リスク、すべてを正直に話した。「うちは、まだ、いつ潰れてもおかしくない会社です。給料は、東京よりも低い。福利厚生も、まだ整っていない。それでも、来てくれますか」。健斗は、しばらく黙ってから、こう答えた。「山下さん、僕が一番欲しいものは、安定じゃありません。可能性です。Garoopには、それがある。だから、来ます」。山下は、画面越しに、深く頭を下げた。「ありがとう。一緒に、やりましょう」。長崎の夜が、その瞬間、少しだけ、明るくなった気がした。
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育てる・調教・産む