人物列伝

退職届の重み ― 夜の電話、組織を変えた半年

Garoop NovelCh.03
ハラスメントの聞き取りには、慎重さが必要だ。記録の取り方、言葉の選び方、二次被害の防止。朋美は、女性に「どんな話も、否定しません。事実と、感じたこと、両方を、自分のペースで話してください」と前置きした。話は、断片的に、しかし、確かに重なっていった。深夜の業務指示。人前での叱責。能力を否定する言葉。プライベートへの過剰な干渉。一年以上、続いていた。「証拠は、メールと、録音が、残っています」と女性は言った。朋美は、その勇気に、心の中で、深く頭を下げた。
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育てる・調教・産む