人物列伝

鎌倉の窓辺で ― カマクラウドの税理士・清水小綾の流儀

Garoop NovelCh.04
ある日、若い起業家がやってきた。AIで地方創生サービスを作るという、目をきらきらさせた青年だ。「税金の話、難しすぎて、わけが分からないんです」と苦笑する彼に、小綾はホワイトボードに四角をふたつ描いた。「会社の財布と、個人の財布。この二つを区別するところから始めましょう」。一時間後、青年は『なんで誰もこんな分かりやすく教えてくれなかったんだろう』と笑った。彼女は『難しいことを難しく説明するのは簡単。やさしく伝えるのが私たちの仕事なんですよ』と答えた。その瞬間、青年は『この人と長く付き合いたい』と、心の中で決めたのだった。鎌倉の窓から差し込む光が、二人の間で静かに揺れていた。
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育てる・調教・産む