人物列伝

鎌倉の窓辺で ― カマクラウドの税理士・清水小綾の流儀

Garoop NovelCh.03
小綾が大切にしているのは、『数字の裏側にある物語』だった。売上の数字、経費の項目、そのひとつひとつには、誰かの汗と、夢と、家族の生活が隠れている。深夜まで働いた小さなパン屋の苦労、初めての雇用に踏み切った美容師の覚悟、廃業の瀬戸際から立ち直った旅館の希望――。「税理士は計算の専門家であると同時に、人生の伴走者なんです」彼女はそう信じて、ノートにペンを走らせる。クラウド会計ソフトを使いこなし、最新のIT技術で効率化を図りながらも、最後の一行は必ず手書きで補足を入れる。それが彼女の流儀だった。冷たい数字の中に、温度を残しておくこと。それが、お客様が再び事務所のドアを叩く理由になる。
3 / 8 ページshimizu-tax-001
育てる・調教・産む