人物列伝

鍛校の十歳 ― 颯太と『お母さんが帰ってくる夕方』

Garoop NovelCh.02
夜、母親が帰宅した時、颯太は、貯金箱を持って、台所に立っていた。「お母さん、お願いがある」。母親は、疲れた顔で、そんな息子の真剣な表情を見て、ぎょっとした。「これに、入りたいんだ」。彼が見せたのは、Garoop鍛校のページの、印刷した紙だった。「教えない。鍛える」と、大きく書かれている。母親は、紙を、しばらく、黙って見つめていた。「颯太、お金、どうするの」。「俺が、自分で稼いで、返す。だから、最初の半年だけ、貸してほしい」。母親の目に、涙が浮かんだ。彼女は、頷いた。「分かった。でも、本気で、やるんだよ」。颯太は、深く頭を下げた。
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育てる・調教・産む