長崎物語

長崎物語 ― 坂と海と、四百年の窓

Garoop NovelCh.08
私は、長崎にやってきた誰かが、坂の路地の途中で立ち止まり、海と空と街並みを同時に見渡すあの瞬間が、好きだ。観光ガイドにも書かれていない、何でもない景色。でも、その静かな美しさが、長崎の本質を最もよく伝えていると思う。歴史と暮らし、海と山、外と内、過去と未来――すべてが交差する場所で、誰かの心が、ふっとほどける。長崎は、訪れる人に、何かをくれる街だ。観光資源以上のもの。きっと、それは、自分の中の『広さ』のようなものなんだと思う。だから今夜も、私はこの坂の街を、もう一度、歩いてみたくなるのだ。海風が、誰かの髪をやさしく撫でていく。長崎の物語は、まだ続いている。
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