人物列伝

退職届の重み ― 夜の電話、組織を変えた半年

Garoop NovelCh.05
加害者への処分、再発防止策、被害者の処遇改善。朋美は、それぞれに具体的な提案をまとめた。加害者には、降格と研修受講を義務付け。被害者には、休職期間の有給扱いと、復帰後の配置転換オプション。そして、もっとも重要だったのが、第三者委員会の設置と、社員相談窓口の常設だった。「ハラスメントは、個人の問題に見えて、組織の構造の問題なんです」と朋美は会議で説いた。「窓口がなく、相談しにくい雰囲気がある。だから、被害が長期化する」。経営陣は、深く頷いた。「うちには、その窓口が、なかった。先生、お力をお貸しください」。
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