人物列伝

最初の社員 ― ひとり創業の終わり、チームの始まり

Garoop NovelCh.01
創業から半年。長崎の坂の街の、小さなオフィスには、まだ山下大貴ひとりだった。朝、ノートパソコンを開いてから、夜、閉じるまで、コードを書き、メールを返し、資料を作り、請求書を起こし、トイレ掃除までする。すべてを、ひとりで回していた。「会社って、こんなに、たくさんの仕事があったんだな」――彼は、何度も、つぶやいた。それでも、楽しかった。プロダクトのアイデアが浮かんだ瞬間、ユーザーから感謝のメールが届いた朝、銀行口座に最初の売上が入った夜――それらの一瞬は、すべての疲れを、ふっと、吹き飛ばしてくれた。
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育てる・調教・産む