人物列伝

産休前夜 ― 美咲さんの未来図、社労士からのバトン

Garoop NovelCh.07
翌年、その会社では、別の女性社員が、産休に入った。今度は、美咲が、新しい妊娠中の社員の相談相手になった。先輩から後輩へ、バトンが、確かに、渡されていく。朋美は、それを少し離れた場所から、静かに見守っていた。「制度を作ることが、私の仕事の半分。残りの半分は、その制度が、組織の文化として根付くのを、見守ること」。社労士という仕事の不思議な醍醐味は、自分が直接動かなくても、誰かが誰かを支える光景が、自然に生まれていくことにある。
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育てる・調教・産む