人物列伝

移住者の確定申告 ― 鎌倉のイラストレーター、はじめての一年

Garoop NovelCh.08
翌年の二月、優子は、事務所のドアを再び叩いた。手にしていたのは、整理された一冊のファイル。クラウドの管理画面の印刷物と、月別の振り返り、来年に向けた目標。「先生、確定申告、自分でやりました。確認だけ、お願いできますか」。小綾は、書類を一枚ずつ確認した。完璧だった。「優子さん、もう、一人前のフリーランスですよ」。優子は照れ笑いを浮かべた。「先生に教わったことが、私の仕事の土台になりました。鎌倉に来て、絵だけじゃなく、生き方ごと、変わった気がする」。窓の外、江ノ電が、いつもどおりの音を立てて、鎌倉の海へ向かっていく。
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