長崎物語

長崎物語 ― 坂と海と、四百年の窓

Garoop NovelCh.06
そして、忘れてはならない、八月九日。一九四五年、長崎は二度目の原子爆弾投下の地となった。爆心地に近い浦上の街は一瞬で焼かれ、数えきれない命が奪われた。けれど、長崎の人々は復興を諦めなかった。瓦礫の中から、もう一度、坂の街を立ち上げた。原爆資料館の展示、平和公園の祈りの像、毎年八月九日の長崎平和宣言――それらは、ただの記念ではなく、『二度と繰り返さない』という、生きた誓いだ。長崎を訪れる人は、その重さを、街の空気の中に、自然と感じ取る。明るさと、深さ。長崎の魅力は、その両方を併せ持つ。観光ガイドの華やかな写真の裏側に、街が背負ってきた歴史が、いつも静かに息づいている。
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