人物列伝

坂の街から漕ぎ出して ― 株式会社Garoop代表・山下大貴の挑戦

Garoop NovelCh.01
長崎の坂の町。海に向かって滑り落ちるように家々が連なるこの斜面の一角に、株式会社Garoopの本拠地はある。代表取締役・山下大貴は、夜中の二時、まだコードのカーソルが点滅する画面の前にいた。窓の外、稲佐山の灯りが遠くで瞬いている。世界三大夜景と称されるこの光景を、彼は数えきれないほど目に焼きつけてきた。「地方からでも、世界に届くものを作れる」――その確信が、彼を毎晩この机に向かわせる原動力だった。生成AIの最新動向を追いかけ、新しいプロダクトの構想を練り、明日の打ち合わせ資料を仕上げる。山下の夜は、いつも長く、そして静かに熱い。長崎の街が眠っているあいだに、彼の手元では、未来の輪郭が、少しずつ形になっていく。
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育てる・調教・産む