人物列伝

退職届の重み ― 夜の電話、組織を変えた半年

Garoop NovelCh.08
事件のあと、朋美は、ハラスメント対応の指針を、社労士業界の研修会で発表した。「私たちは、書類を作る人間じゃない。誰かの限界に、最初に立ち会う人間です」。聴衆の中には、若い社労士たちが、真剣な表情で頷いていた。彼らがいつか出会うであろう、夜十一時の電話。その電話の向こうにいる誰かのために、いま、自分にできることを、彼女は伝え続けた。社労士という仕事の本質は、制度の解釈にあるのではない。人の声を、最初に聴く勇気にある。それを、朋美は、自分の十年で、確信していた。
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