日曜の公民館に、手書きの看板が立った。『未来を増やす教室』。主催はシングルマザーのカンガルー、ガルちゃん。テーマは家族づくりと子育て支援。言葉だけ見ると過激だが、目的は現実的だった。 『産むか産まないかを他人が決める時代は終わり。選べる社会を作ろう』。ガルちゃんは最初にそう宣言した。参加者は若い夫婦、独身者、祖父母世代まで幅広い。空気は少し張っていた。 彼女は数字を示す。保育枠、家賃、働き方、地域の支援制度。理想論より先に、生活設計を話す。『家族づくりは気合いじゃ続かない。制度と仲間が必要』。会場のうなずきが増えていく。 質疑応答では厳しい声も出た。『一人で育てるのは無理だ』。ガルちゃんは否定しない。『だから一人で抱えない仕組みを作る。私も途中で何度も助けられた』。彼女の言葉は、経験の重さを持っていた。 閉会後、参加者が連絡先を交換し始める。小さな輪ができた。ガルちゃんはポーチの子どもの寝息を聞きながら、次回のテーマを書き込む。『家族づくりを、孤独な戦いにしない』