人物列伝

退職届の重み ― 夜の電話、組織を変えた半年

Garoop NovelCh.06
社員研修プログラムの設計には、二ヶ月かかった。座学だけでは、人は変わらない。朋美は、ロールプレイを取り入れ、加害者・被害者・傍観者、三者の視点を体験できる構成にした。「ハラスメントの多くは、加害者に『ハラスメントしてる自覚』がない」――それが、彼女が現場で見てきた事実だった。研修の最終日、参加した管理職の一人が、彼女に言った。「先生、私、知らないうちに、誰かを傷つけていたかもしれません。これから、もっと、言葉を選びます」。朋美は、静かに、そして深く、頷いた。
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育てる・調教・産む