人物列伝

鍛校の十歳 ― 颯太と『お母さんが帰ってくる夕方』

Garoop NovelCh.03
鍛校に入った颯太の最初の課題は、『生成AI道場』の絵本制作だった。ChatGPT で物語を考え、画像生成AIで挿絵を作り、自分で編集して、一冊の絵本に仕上げる。最初の一週間、彼は、何も完成させられなかった。プロンプトの書き方が分からない。AIが返してくる絵が、思っていたものと違う。途中で投げ出しそうになって、Slack のサポートチャンネルで、質問を投げた。返事は、五分で来た。「颯太くん、まず、絵じゃなくて、お話の方を、最後まで作ってみよう。絵は、それから」。シンプルな助言だったけれど、彼にとっては、ピンと張った糸を、誰かが、ほぐしてくれたような感覚だった。
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育てる・調教・産む